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中核症状と周辺症状の違いを知り認知症ケアに役立てる方法

介護や老後の暮らしに不安を感じている方は多いのではないでしょうか。特に認知症は身近な問題となりつつあり、ご自身やご家族が直面したときの戸惑いや悩みもさまざまです。

今回は、認知症の「中核症状」と「周辺症状」について、分かりやすく解説しながら、具体的な特徴や対応のコツ、そして介護現場で活かせる工夫までご紹介します。

状況に応じた適切なケアや心の持ち方を知ることで、不安を和らげ、より安心した日々を送るためのヒントを探っていきましょう。

目次

中核症状と周辺症状の違いを知る

中核 症状 周辺 症状 違い

認知症に関わる「中核症状」と「周辺症状」は、症状の現れ方や対応方法に違いがあります。まずは両者の違いを理解し、適切なケアにつなげることが大切です。

中核症状と周辺症状の基本的な意味

認知症でよく耳にする「中核症状」と「周辺症状」は、それぞれ異なる特徴を持っています。中核症状とは、認知症そのものが原因となって脳の働きが低下し、記憶や判断、理解力の障害が起こる症状を指します。たとえば、物忘れや場所、人の認識ができなくなることなどが含まれます。

一方、周辺症状は、本人の性格や置かれた環境、体調やストレスなど、さまざまな要因が絡み合って現れる二次的な症状です。イライラや興奮、不安、夜間の徘徊、暴言といった行動や心理面の変化が代表的です。中核症状はどの認知症にも共通して見られることが多いですが、周辺症状は個人差が大きく、日々変化しやすい特徴もあります。

両者を正しく理解することは、支援の第一歩です。

中核症状が現れる原因と脳の働き

中核症状は、認知症によって脳の特定の部分が障害を受け、情報の処理や記憶、判断といった機能が低下することで生じます。認知症の種類によって障害される脳の領域が異なり、それぞれの症状にも違いが見られます。

たとえば、アルツハイマー型認知症では記憶を司る部分が中心に障害されやすく、記憶障害が目立ちます。一方で、脳血管性認知症の場合は脳の血管が詰まったり破れたりすることで、どの機能に障害が現れるかは個人によって異なります。

脳の神経細胞の損傷や減少が進むことで、中核症状は徐々に進行します。生活上の困りごとが増える背景には、こうした脳の変化が関わっています。

周辺症状が生じるきっかけと環境要因

周辺症状は、本人の気持ちや環境の変化が大きく影響します。たとえば、慣れ親しんだ場所からの転居や、日々の小さなストレス、体調不良などがきっかけとなって症状が現れることが多いです。

また、周囲の接し方やコミュニケーションの取り方も、周辺症状を悪化させたり、逆に落ち着かせたりする要因となります。新しい環境や人間関係への不安が強まったり、適切な声かけや支援が不足していると、徘徊や興奮、拒否といった行動が増える傾向にあります。

周辺症状を理解するうえでも、「本人が何に困っているのか」「どんな状況で変化が起きやすいのか」を普段から観察することが大切です。

中核症状と周辺症状を見分けるポイント

中核症状と周辺症状は、どちらも認知症に伴う症状ですが、見分け方のポイントを知ることで対応も変わってきます。中核症状は「認知機能そのものの障害」であり、周辺症状は「本人の状態や環境によって変動する症状」と意識しましょう。

具体的には、何度も同じことを聞く、日付や場所を間違える、理解や判断が難しくなるなどの症状は中核症状にあたります。一方、怒りっぽくなる、落ち着かない行動が増える、夜間に動き回るなどは周辺症状です。

表でまとめると以下のようになります。

症状例中核症状周辺症状
物忘れ
徘徊
言葉が出にくい
怒りっぽい

このように整理することで、ケアの優先順位や対応方法も見えてきます。

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認知症で現れる主な中核症状の特徴

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認知症にかかると、まず現れるのが中核症状です。ここでは、その代表的な症状について具体的にご紹介し、日常生活への影響を整理します。

記憶障害の具体的な現れ方

記憶障害は認知症で最もよく見られる中核症状の一つです。忘れやすくなるのは「最近起きた出来事」から始まり、徐々に昔の記憶にも影響が及びます。たとえば、今朝食べたものや、数分前に話した内容を覚えていない、約束を忘れてしまう、といったことが増えてきます。

また、置いたものを探して部屋中を歩き回ったり、財布や鍵を何度も探すといった場面もよく見られます。進行すると、家族や友人の顔や名前が分からなくなるケースも出てきます。

日常の中で「前にも話したのに何度も同じことを聞かれる」「以前はしっかりしていたのに物忘れが目立つ」と感じた場合、早めに専門機関へ相談することが大切です。

見当識障害とは何か

見当識障害とは、「今がいつなのか」「自分がどこにいるのか」「目の前にいるのが誰なのか」といったことが分からなくなる症状です。時間の感覚や場所、人の認識が曖昧になり、生活に混乱が生じやすくなります。

たとえば、朝なのに夜だと思い込んで外出しようとしたり、自宅にいるのに「帰りたい」と言い出したりすることがあります。また、家族の顔は分かっても、関係性がはっきりしなくなる場合も。

この症状は徘徊や不安感の原因になることが多く、周囲の方は「一緒に今の時間や場所を確認する」「落ち着いた環境を整える」といった対応が有効です。

判断力や理解力の低下について

認知症になると、判断力や理解力の低下もよく見られます。普段なら簡単にできた家事や金銭管理、薬の管理などが難しくなり、日常生活にさまざまな支障が出てきます。

たとえば、買い物でお釣りを間違えたり、公共料金の支払いを忘れてしまう、調理中に手順を間違えるといった場面が増えます。

また、複雑な説明や新しいことが理解しづらくなり、会話の内容が伝わりにくい印象を受けることも。こうした変化に気付いたら、できるだけサポートしやすい環境を整えることが大切です。

実行機能障害とその影響

実行機能障害とは、計画を立てて物事を順序だてて行う力が低下する状態です。たとえば、料理を作るときに手順が分からなくなったり、掃除や着替えなど複数の作業を同時に進められなくなります。

また、外出の準備や予定の管理が難しくなり、約束の時間を守れない、持ち物を忘れてしまうといったことも増えてきます。

初期の段階では「うっかり」と思われがちですが、進行すると生活の自立が難しくなるため、周囲が気付きやすいポイントでもあります。できるだけ分かりやすい手順やサポートを心がけていきましょう。

認知症の種類とそれぞれに多い中核症状

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認知症と一口に言ってもいくつかの種類があり、それぞれ中核症状の特徴や現れ方に違いがあります。代表的な4つのタイプについて解説します。

アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は、最も多く見られる認知症の一つです。特徴的なのは「記憶障害」が早い段階で現れることです。特に新しい出来事を覚えられなくなるため、日常的な物忘れが目立つようになります。

進行に伴い、見当識障害や判断力の低下も現れてきます。会話の中で言葉が出にくくなったり、同じ話を何度も繰り返すことが増えてきます。

初期のうちは「年齢のせい」と見逃されやすいですが、徐々に自分の置かれた状況が分からなくなり、生活全体に支障が出てきます。

脳血管性認知症の症状パターン

脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで発症します。このタイプの特徴は、症状が「まだら状」に現れることです。たとえば、記憶力は保たれていても、判断力や注意力が低下している場合があります。

症状の出方は障害された脳の部分によって異なり、身体の動きや言葉に影響が出ることもあります。

ある日は会話がスムーズでも、別の日には混乱が強くなるなど、日によって調子が変わる点も特徴です。生活リズムを整え、症状の変化に合わせたサポートが必要になります。

レビー小体型認知症の中核症状

レビー小体型認知症は、幻視(実際には存在しないものが見える)が多く現れるのが特徴です。中核症状としては、記憶障害に加えて、注意力や集中力の波が大きく、調子の良い日と悪い日がはっきり分かれることがあります。

また、手足の震えや動作の遅さなど、パーキンソン症状と呼ばれる身体的な変化も見られます。

幻視はご本人にとって現実の出来事のように感じられるため、周囲が頭ごなしに否定せず、安心してもらう対応が必要です。

前頭側頭型認知症でよく見られる症状

前頭側頭型認知症は、性格や行動の変化が目立つのが大きな特徴です。特に、感情のコントロールが難しくなったり、自分勝手な行動が増えたりします。

たとえば、これまで気配りができていた方が急に自己中心的になる、マナーを守れなくなる、同じ言葉や行動を繰り返すといった変化が見られます。

言葉の理解や表現力が低下する「失語症」も現れやすいです。周囲は戸惑うことが多いですが、本人の変化を病気の症状と理解することが大切です。

周辺症状がもたらす影響と対応策

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認知症の周辺症状は、本人だけでなく家族や介護者にも影響を及ぼします。どのような影響があるのか、また対応のコツや工夫について考えます。

周辺症状が生活に及ぼす影響

周辺症状は、本人の心理状態や行動に大きく現れます。たとえば、突然怒りっぽくなったり、夜間に落ち着かず徘徊する、急に不安や悲しみが強くなるなどです。これらの症状は、日常のリズムを乱したり、家族の心身の負担を増やす原因となります。

また、周辺症状が強くなると、本人がけがをするリスクや、介護者が疲れ切ってしまうことも少なくありません。

早めに変化に気付き、無理をせず専門家に相談することが、円滑な介護のためのポイントです。

周辺症状に対応するための基本姿勢

周辺症状には、焦らずゆったりとした対応が重要です。まずは本人の気持ちや不安に寄り添い、安心できる環境を整えることが大切です。

「急がせない」「否定しない」「無理にやらせない」など、介護者の基本姿勢を見直すことで、症状が和らぐこともあります。

また、体調や生活リズム、薬の影響なども確認しながら、丁寧に接することが本人の安定にもつながります。

BPSD(行動心理症状)の具体例と対策

BPSD(行動・心理症状)は、認知症の周辺症状の代表的なもので、次のような症状が挙げられます。

  • 徘徊
  • もの盗られ妄想
  • 幻覚
  • 暴言・暴力
  • 抑うつ
  • 不安・焦燥

こうした症状への対応で大切なのは、まず危険がないよう見守ることです。たとえば徘徊が目立つ場合は、玄関にチャイムを付けたり、外出時に目印となるものを身に付けてもらうといった工夫が有効です。

妄想や不安が強いときは、「話をじっくり聞く」「本人の気持ちに共感する」といった関わり方を心がけましょう。

周辺症状を悪化させないコツ

周辺症状を悪化させないためには、日頃のコミュニケーションや環境の工夫が欠かせません。まず、本人の生活リズムをできるだけ守り、慣れた環境を維持することが基本です。

また、しゃべりかけ方も大切です。短く分かりやすい言葉で話しかけ、否定したり急かしたりしないよう心がけましょう。

介護者が疲れすぎないよう、周囲と協力したり、必要に応じて専門家の力を借りることも大事なポイントです。

介護現場で実践できるケアと予防の工夫

認知症の方と接するうえで、日々のケアや予防の工夫が役立ちます。本人も家族も安心して暮らせるよう、実践しやすい方法を紹介します。

本人のペースに合わせた対応方法

認知症の方は、自分のペースで生活したいと感じていることが多いです。介護する側は、つい早く動いてもらいたい、手順通りに進めたいと思いがちですが、まずは本人の歩調に合わせることを意識しましょう。

たとえば、着替えや食事、トイレなどのタイミングも、本人の様子を見ながら声をかけてください。イライラや焦りが少なくなるだけでなく、本人の自信や安心感にもつながります。

できることはできるだけ見守り、無理せず手助けする姿勢が重要です。

否定しない接し方の大切さ

認知症の方は、自分なりに理由や思いがあって行動しています。そのため、「違う」「ダメ」「何度も言ってるでしょ」と否定的な言葉をかけると、不安や混乱が強くなりやすいです。

たとえば、話の内容が事実と異なっていても、「そう感じたのですね」と受け止めてあげると、心が落ち着きやすくなります。

本人の気持ちを大切にしながら接すると、信頼関係が築きやすくなり、周辺症状も和らぎやすくなります。

介護者の負担を軽減する環境づくり

介護は長期間にわたることも多く、介護者の心身の健康を守ることがとても大切です。無理をしすぎず、できる工夫を取り入れてみましょう。

具体的には、家の中に手すりを付けたり、段差をなくす、照明を明るくするといった住環境の見直しが有効です。また、家族や地域、介護サービスをうまく利用し、休息の時間を確保することも忘れずに。

ひとりで抱え込まず、困ったときは周囲と協力することが大切です。

早期発見と専門機関への相談のすすめ

認知症は早期に気づき、適切なサポートを受けることで、進行のスピードを緩やかにすることができます。些細な変化でも「おかしいな」と感じたら、まずはかかりつけ医や地域包括支援センターに相談しましょう。

早めの相談は、本人の安心や家族の不安軽減にもつながります。

専門家のアドバイスを受けることで、ケアプランや介護サービスの利用もスムーズになります。

まとめ:認知症の中核症状と周辺症状を理解し安心して老後を過ごすために

認知症の中核症状と周辺症状は、それぞれ原因や現れ方、対応方法が異なります。両者を正しく理解し、ご本人の気持ちや生活環境に目を向けながら、適切なケアを行うことで、安心した老後の暮らしが実現できます。

周囲の協力や専門家のサポートを活用しながら、無理のない範囲で日々の工夫や見守りを続けていくことが大切です。

不安や悩みをひとりで抱え込まず、さまざまな支援を取り入れて、より豊かな日常を目指しましょう。

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この記事を書いた人

老後はまだ先のこと…そう思っていた時期もありました。でも、介護や終活のことを少しずつ知っていくうちに、「早くから知っておくことはやさしさなんだ」と思うように。このブログでは、介護や住まい、終活の基本をやさしく整理して発信しています。誰かの将来の不安を、少しでも和らげるきっかけになりますように。

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